頭痛・めまい
頭痛の症状
頭痛が出る原因は様々であり、痛みの強さ、痛みが出る部位、持続時間、症状など人により異なります。中には生命が脅かされてしまうような危険な頭痛もあり、また治療法も異なってくるため、タイプの鑑別は重要になってきます。頭痛の分類と診断は国際頭痛分類第3版beta版に則って行われています。
頭痛は他の疾患のない一次性頭痛と、他の疾患に原因がある二次性頭痛の2つに大別され、さらに一次性頭痛は4項目に、二次性頭痛は8項目に分類されます。
頭痛でお困りの患者様の、およそ9割は一次性頭痛であると言われていて、二次性頭痛は1割程度であるといわれます。
しかし二次性頭痛の原因の中には、くも膜下出血など、見逃されると非常に危険なものも含まれているため、気を付ける必要があります。
二次性頭痛を疑う際のサインとしては、今までにないような強い頭痛、突然の激しい頭痛、痛みが急に強くなる、頭痛が回数を重ねるごとに強くなってくる、発熱を伴う頭痛、手足のしびれがある、けいれんを伴う、意識がもうろうとなるなどです。このような症状のある時は、一度病院で診断をしてもらうことをお勧めいたします
めまいの症状
めまいとは自分自身や周囲が動いていないにも関わらず、バランスを司る三半規管などの異常により、動いているような違和感や平衡感覚を失ったような不快感を指します。
めまいは大きく分けて3つの種類に分けられます。ぐるぐると目が回る感じがする回転性めまい、フワフワと浮いているような感じがする動揺性めまい、立ち上がり時にクラっとする感じの失神性めまいです。
回転性めまい
回転性めまいとは、自分は動いていないにも関わらず、壁や天井など周りがぐるぐると回っているような感じのするめまいをいいます。
耳が原因であることが多く、耳鳴りや難聴の伴う、メニエール病や突発性難聴、耳鳴りや難聴の伴わない良性発作性頭位めまい症などがあります。
動揺性めまい
動揺性めまいとは、身体がふわふわと浮くような感覚や、姿勢を保つのが難しい、まっすぐ歩けないといった症状が出てきます。
動揺性めまいは中枢性、全身性、薬剤性、心因性のさらに4つに分けられます。小脳の運動中枢や脳血管障害など、脳に問題がある場合もあります。
失神性めまい
失神性めまいとは、急に立ちあがった時やお風呂から上がった時など、目の前が真っ暗になるような感じや頭から血が引くような感じがでて、ひどいときには失神してしまいます。脳に流れる血液の量が一時的に不足してしまうことで起きるとされています。
頭痛の原因
一般的な頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発性頭痛の3つがあり、それぞれに原因や症状の特徴があります。
片頭痛
片頭痛は片側あるいは両方のこめかみから目のあたりにかけて、脈を打つようにズキンズキンと痛み、一度痛みが出ると4~72時間位痛みが続くことが多いです。
他の特徴としては、痛みが出ている間は動かずにジッとしている方が楽になり、吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。また前兆症状として閃輝暗点(センキアンテン:視野の中にチカチカとした光が出てきたり視野がぼやけたりする)が生じることもあります。
片頭痛の原因は、頭の中で血管が拡張し、拍動に合わせて周囲の三叉神経という頭の中で一番大きな神経に、刺激が伝わることによって起こります。
この三叉神経は視覚や聴覚、嗅覚、吐き気を司る中枢に情報を伝えているため、片頭痛では、光やにおいに過敏になったり、吐き気や嘔吐といった随伴症状が現れやすいです。
血管が拡張する原因の一つにセロトニンの過剰分泌が考えられます。過度なストレスや自律神経の乱れによって、セロトニンが過剰に分泌されて、結果的に片頭痛に陥ってしまいます。
女性では月経との関連も深く、月経の2~3日前に生じる片頭痛を「月経関連片頭痛」と呼びます。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、頭の周りを何かで締め付けられているような鈍い痛みが、30分~7日間位続くことが多いです。
肩や首の強い張りやめまい、ふらつき、全身のだるさなどを伴うこともあります。若年者から高齢者まで幅広い年齢層でみられ、毎日のように痛みの続く慢性緊張型頭痛と、ときどき痛みのでる反復性緊張型頭痛があります。
緊張型頭痛の原因は、身体の歪みや不良姿勢、長時間のデスクワークなどによって頭、首、肩、背中にかけての筋肉が緊張することによって起こります。患部の血流が悪くなることや、代謝が悪くなり筋肉中に老廃物がたまり、それが周囲の神経を刺激したりすることによって、頭痛を引きおこします。
また精神的なストレスによっても、筋肉や神経の緊張が起こり、頭痛が生じると言われています。
群発性頭痛
群発性頭痛は、片側だけに出る激しい頭痛を特徴とします。目の奥がえぐられるような激痛や、一度痛みが出るとじっと耐えることが出来ないような、激しい頭痛を指します。
痛みは1か月~2か月間に集中して、ほぼ毎日起こることが多く、ほぼ同じ時間に1日に2~3回、15分~3時間ほど続くことが多いです。また頭痛が起こっていない期間は、無症状の事が多く、20代~40代の男性に多いと言われています。群発性頭痛の発生のメカニズムについては、まだはっきりとわかっていません。
目の後ろを通っている血管の拡張や炎症、自律神経などが、群発性頭痛にかかわっているといわれています。またアルコールやたばこ、気圧の急激な変化が群発性頭痛の誘因になると言われています。
めまいの原因
身体の平衡を司る器官には、三半規管、耳石器、前庭神経、脳幹、視床、大脳皮質があり、このうちどの場所が障害されてもめまいが起こってしまいます。めまいはその種類によって、原因も様々に異なります。根本的な原因には、自律神経の乱れやストレスなどが、大きくかかわっているといわれています。
回転性めまい
耳鳴りや難聴を伴うメニエール病の場合は、耳の奥にある内耳を満たしている、リンパ液が過剰になり、蝸牛と呼ばれる部分に腫れが起きる、内リンパ水腫が原因になります。細菌感染や過度なストレス、自律神経の乱れが誘因だと言われています。耳鳴りや難聴を伴わない、良性発作性頭位めまい症の場合は、耳の奥にある耳石という組織が剥がれ落ち、三半規管や神経を刺激してしまい、めまいが生じてしまいます。
動揺性めまい
動揺性めまいは4つに分類され、それぞれに異なった原因があります。中枢性めまいは、小脳や脳幹に障害が起きると発症します。脳梗塞や脳出血などの病気が原因の場合が多く、激しい頭痛や嘔吐、手足のしびれ、脱力感を伴う場合があります。一刻も早い病院での診断、治療が必要になります。
全身性めまいは、身体の一部だけの異常ではなく、全身の問題から出現してくるといわれています。一番多くは、自律神経失調症が原因で、他にも貧血や発熱などが要因です。薬剤性めまいは、薬の副作用から生じるめまいです。抗生物質や精神安定剤などで、症状が出やすいと言われています。
心因性めまいは、耳や脳に原因となる病気はなく、過度なストレスや自律神経の乱れによって内耳や脳幹に、悪影響が生じていると考えられています。
失神性めまい
失神性めまいは、立ちくらみのような、めまいです。脳に流れる血液の量が、一時的に不足してしまうことが原因であるといわれています。
血圧をコントロールしている自律神経が、過度なストレスや疲労などによって乱れてしまい、うまく血圧が調整できず症状が生じてしまいます。
頭痛の治療
頭痛の治療は、頭痛のタイプによって異なります。まず問診にて症状を詳しくお伺いして、どのようなタイプの頭痛で、お困りなのかを検査していきます。 またその際、二次性頭痛のように、医師の診察が必要だと判断した場合には、病院をご紹介させて頂きます。頭痛の7割は、緊張型頭痛であるとも言われています。
緊張型頭痛の原因は、身体の歪みや、不良姿勢、普段の生活に起因するような、首や肩、背中の筋肉の緊張にあります。よって治療は、骨盤矯正や猫背矯正を中心とした身体のバランスの調整、患部の筋緊張の緩和、温熱療法を含む物理療法を中心に行います。
自律神経を整えることも頭痛には有用であるため、ご自宅でのアドバイスやストレッチ等指導も行います。また鍼治療は、緊張型頭痛や片頭痛にも効果が高いといわれています。
めまいの治療
めまいの治療は、めまいのタイプによって異なります。まず問診にて症状を詳しくお伺いして、どのようなめまいでお困りなのかを検査していきます。
またその際、動揺性めまいや中枢性めまいのように、医師の診察が必要だと判断した場合には、病院をご紹介させて頂きます。また、めまいの多くは、自律神経の乱れや過度なストレスが起因となって生じています。自律神経は背骨や骨盤の歪みによって、働きが低下してしまいます。
当院の治療では、身体の歪みやバランスの調整、耳ツボ療法、温熱療法を含む物理療法、頸部や肩の筋緊張の緩和などを中心に行います。
また自律神経は普段の日常生活の中で乱れが生じてきますので、ご自宅でのアドバイスや生活での注意事項などをご説明致します。