外反母趾
症状
特徴的な症状は、足の母指(親指・母趾)の先が人差し指(第2趾)の方向に「くの字」に曲がり、つけ根にある関節の内側の突き出したところが痛みます。
その突出部が靴に当たって炎症を起こし、ひどくなると靴を履いていなくても痛むようになります。
段階的な悪化
-
足のアーチが崩れることで、足の裏側の踵部分や人差し指の付け根あたりが痛くなります。
-
足の幅が少しずつ広がりながら、親指が曲がり始めます
この頃から、親指の付け根にコブのようなものができ、ちょっと触るだけでも痛いことがあります。
-
症状の進行により親指と人差し指が重なったりします。また裸足で歩いているときでも親指の関節に負担がかかり、親指を曲げるだけで痛むようになります。
初期の外反母趾の親指の角度は10~15度で、この頃には痛みはほとんどありません。
20度以上になると、親指がくの字に曲がり親指の付け根が大きく突き出してきて、この部分と靴がこすれて痛みが生じます。外反母趾は男女比1:10と、圧倒的に女性に多く、軽症例も含めると中高年の女性の約半数が悩んでいるともいわれているデータもあります。
原因
履物に加えて、肥満と筋力低下などによってもおこります。
土踏まずにあるアーチが崩れて扁平足になると、アーチの中ほどにある母指の中足骨が扇状に内側に開き、それから先の親指は逆に靴で外側に圧迫されて、外反母趾がおこります。
歩き方のくせや体質
かかとから着地するのではなく、つま先や足全体を地面につけるような歩き方をしていると、足の親指の付け根に負担がかかりやすくなります。
指を浮かせて歩く(浮き指)
足の指を使って歩かない(小股、ペタペタ歩き)
片方の足にばかり荷重をかけて歩く(荷重側だけでなく、もう片方の足の筋肉が衰える)
合わない靴による足の圧迫
幅の狭い、つま先が細くなった靴を履くと母指のつけ根から先が圧迫されて変形します。
合わない靴やヒールの高い靴は足を圧迫するだけでなく、歩くときに膝が曲がったり、歩く姿勢が悪くなったりすることで、足部に負担をかけるため外反母趾の原因の一つと考えられています。
筋力の低下
生活習慣の変化などによって、徐々に足の親指を横に広げるための筋肉が弱まり、足の横のアーチが崩れて全体的に横に広がる。(開帳足、扁平足) 足のアーチが崩れることで、足の親指の角度を保つための筋力が低下し、外反母趾を引き起こします。
これまでの原因に当てはまらない原因で外反母趾になっている場合は、遺伝的な要因が考えられます。遺伝的要素がかかわっていると、治療が難しい場合もあります。
基本的には「歩き方」「姿勢」「選んだ靴」によって外反母趾になるかどうかは大きく変わってきます。
治療
患者様の症状と足の状態を把握し、その上で治療・リハビリ内容(理学療法、運動療法など)の選択、後療法(手技療法、矯正、マッサージなど)の開始時期、治療を決めていきます。
痛みが強く炎症がある場合には、冷やすことで炎症が和らぎますので、アイシングを行います。
炎症が引き、痛みがある程度落ち着いてきたら、今度は患部を温める温熱療法を行います。
当院では運動連鎖を活用した治療を取り入れております。
患者様の足部の筋力、アーチ、母趾や関節の動きをチェックし、患者様の身体にとって「最適なバランス」になる位置・状態に母趾や足部の歪み・身体の歪みを治療していきます。
患部に対してはテーピングによる矯正や、足底の筋肉のトレーニング指導、患部以外に対しては、患部に負担のかからない状態(外反母趾にならない重心・立位姿勢・歩行姿勢)の獲得を目指して治療を行います。
より根本的な解決をはかるためには身体全体の骨格から改善することが必要になります。
患者様の生活の質を落とさない事を第一の目的に、いま現在の症状に対してだけではなく、その後の経過も視野に入れながら治療方法を決定していきます。
手技によるマンツーマン治療は、患者様との会話の中で症状を聞きながらできる治療です。
当院での治療は、患部の状況と患者様の症状を聞き、それを基に判断するオーダーメード治療となっております。